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決算特別委員会

平成19年10月29日(記) 平成18年度 県の決算状況

10月15日から行なわれた「決算特別委員会」の審査を経て、本会議で認定されました平成18年度の県の決算についてお知らせいたします。

岩手県の一般会計決算は皆様ご想像の通り、大変厳しいものになっています。 その特徴を一言で言いますと、縮小化と硬直化、そして多額の県債の存在、ということになります。

 歳入は7,766億円(前年比83億円の増加)
 歳出は7,674億円(前年比115億円の増加)

となり、差引91億円余が形式上の黒字となります(形式収支)。
この黒字の中には、来年度に繰り越して使われる財源63億円余りが含まれていますので、これを差し引いた額28億円が実質的な黒字額ということになります (実質収支)。
公会計上の赤字、黒字の指標はこの実質収支で判断されます。

県の財政規模はここ数年、前年比でマイナス決算が続いてきましたから、これだけを見ますと県財政も若干好転したかのような印象を受けます。

しかし、このうちの277億円は競馬組合への融資という特殊な目的で使われたものでありますので、それを差引ますと実質は依然、縮小傾向が続いています。
しかも、この277億円は、今まで積み立ててきた基金から出されたもので、岩手県の基金は1年間で全国一減ったことになり、余力財源は底をつきかけています。

決算の中身を見ますと、歳入のうちの県税は1,146億円(前年比55億円、5,1%増)で、平成12年度以来の伸びとなりました。

ご承知の「※1三位一体改革」の中で地方への税源移譲が行われ、「個人県民税」が伸びたことと、景気回復の流れが若干波及したのか「法人事業税」が伸びたことがその要因となっています。

※1 過去記事参照 三位一体改革

逆に国庫支出金が前年より248億円減ったことや、地方交付税が前年並みであったことにより、結果として実質的な歳入は前年を下回りました。

岩手県の歳入の構造は、国からの「地方交付税」や「国庫支出金」、借金である「県債」で60%以上を占めています。

本来の意味の自主財源である「県税」の割合は15%弱に過ぎません。残念ながら圧倒的に依存財源に頼らざるを得ないという現実があります。

歳出では職員の給与、県債返済の為の元金や利息に使われる公債費などの義務的経費の割合が50%近くを占めており、政策的経費や投資的経費に使われる予算は毎年縮小しています。

部門別歳出で見ますと、民生費、衛生費、商工費などの一部で前年を上回っていますが、土木費、農林水産業費、教育費などは前年を下回っており、投資的事業の中心である部門のマイナスが目立ちます。これが硬直化といわれる理由です。

県債残高は、1兆3,922億円と前年から89億円減少いたしました。「プライマリーバランス」を黒字化する、という大きな財政方針の中で、県債発行額を1,257億円と抑制し、県債の償還額1,347億円がそれを上回った分、その差額分の県債が減ったことになります。

県をはじめ、公共団体の公会計は一般の県民からは馴染みにくい部分が多くあります。自分達の住む県や市町村の財政がどのようになっているかを分かり易く説明していく責任が行政や議会には益々必要になってきます。

県では民間の会計手法を取り入れ、平成15年よりバランスシート会計を公表していますが、まだまだ分かり難い部分があります。
もっと工夫をしながら、より分かり易く県財政の現実を県民に知らせていく手法を考えていくべきです。それが今後、少子・高齢化、人口減少社会の中で、行政に何を求めて、どの程度の負担を受け入れるのか、という受益と負担のあり方を県民自身が判断する基準になってくると思うからです。

※2普通会計の平成17年度のバランスシート(貸借対照表)の状況を分かり易く説明すると

 ※2 普通会計=一般会計+9つの特別会計
 県の資産
(今まで作られてきた道路や橋、学校施設など)2兆9,700億円
  県民一人当り 214万円 (全国16位、全国平均179万円)
 県の負債 (将来の返済が必要な県債など)1兆5,800億円
  県民一人当り 114万円 (全国40位、全国平均84万円)

ということになります。

県民一人当たりで比較すると、岩手県民は公共の様々な資産は全国的に比べて多く享受していますが、同時に将来返済していかなければならない負債の額も大変多額である、という現状が読めます。

これは普通会計だけですが、病院会計や出資法人会計なども併せますと、県民負債はもっと多額になります。

さらに県民は、ハード部分のサービスだけではなく、民生費や県職員、教職員などからのソフト部分の行政サービスも受けています。
それを示すのが行政コストです。

 県の一年間の行政コスト 6,020億円
  県民一人当り 43万円 (全国37位、全国平均34万円)

という状況です。全国平均より多くの行政サービスを受けていますが、同時にその分多くの負担も県民が負う、というのが岩手の現状です。

ちなみに、一年間の行政サービスで受けている具体的なものは、分野別に

 教育費 11万円
 土木費 8万円
 農林費 7万円
 民生費 4万円

・・・という順序になります。

岩手をはじめ、民間投資が少ない地方は、どうしてもこのような傾向になりがちです。同じ東北でも宮城県などはそういう意味でまた違うバランスシートの形になっているものと思います。

行政の仕事は、企業のように収益性を求めることではありません。税金などの予算を効率的に使って利益を出すことが使命ではなく、県民満足度を高めることが最終目的になります。

決算と県民満足を連結させた「政策評価」の仕組みをより高度に進化させ、県民参加で次の予算編成の大きな指針となりえるような方法を求めて行きたいものと考えています。

企業会計等の決算状況は、また後ほど報告したいと思います。

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